【 病因・病態 】
成長期の骨には身長が伸びる為の成長軟骨があります。軟骨成分の多い子供の骨は筋腱の牽引力や繰り返しの衝撃に弱く、運動時の走る、蹴る、ジャンプ等の負荷が繰り返し加わることで発症します。また成長期には骨の長さの成長に比べ、筋の伸びが追いつかないため柔軟性の低下が発生します。柔軟性の低下は身体の動きを硬くするだけでなく骨端症のリスクを高めます。スポーツをしていない子供にも発症することもあります。骨端症には牽引ストレスによって起こる脛(けい)骨(こつ)粗面(そめん)部のオスグッド・シュラッター病、サッカーのスパイクなどによる圧迫ストレスで起こる踵(しょう)骨(こつ)のセーバー病などがあります。
【 診断と治療 】
レントゲン検査では、暦年齢と骨年齢を検討し、成長軟骨の損傷や裂離骨折の有無を評価します。
部活や体育などスポーツ活動を控えて安静にすることで痛みは軽くなります。原因となる筋肉のストレッチングや使用しているシューズなどの道具を見直すことが必要になります。症状が軽いうちはサポーターやテーピングによる患部へのストレス軽減も効果的です。 初期の段階で管理を怠ると痛みが長引き、運動に支障をきたし安静が必要となる期間が長くなります。成長期特有の痛みではありますが、非常に再発を繰り返しやすい疾患です。痛みが長引いている際には正しいケアの方法を知る為にも、整形外科スポーツ専門医を受診してください。