【 病因・病態 】

　腰の痛みはスポーツ動作に関連が深く、スイング、ピッチング、ジャンプ、過度の腰の反りやひねり動作の繰り返しが成長期の未熟な骨や椎間板に加わることにより発生します。また、頚から腰の脊柱全体で見た姿勢のみだれ、下肢の関節や筋肉の柔軟性の低下、肩や肩甲骨の可動域の低下も腰のストレスの増加に繋がります。疾患には筋膜性腰痛・腰椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間関節炎・疲労骨折といったものが挙げられ、主に腰の曲げ伸ばしや、捻り動作に伴う痛みや、疾患によっては下肢の痺れや、力が入りづらくなるなどの神経症状を伴うこともあります。

【 診断と治療 】

　レントゲン検査では成長期の場合、脊椎の成熟度、成長軟骨へのストレスや椎間関節への負担、疲労骨折の有無などを評価します。

　日常生活で痛みがあるようであればスポーツは中止、または練習量の調節が必要となります。しかし、腰痛で部活動を休むという事について現場の理解が得づらいことや、大会が近い場合等、スポーツ活動を休止しにくいのが現状です。リハビリは、本人の希望を含め、各々の目標を元にリハビリのメニューを決めます。原因となる部位のストレッチングを中心に体幹筋力の向上、スポーツ種目に合致した協調性運動、また痛みに応じてコルセットなどの装具療法や練習量・メニューの調節を行います。３日以上続く痛みや痺れなど神経症状が伴う場合は、整形外科スポーツ専門医を受診して下さい。